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Melerdis Knowledge — Series 02

Series 02 · 再処理バリデーションをはじめから第1章

再処理バリデーションとは? ― 繰り返し使えることを、何で裏付けるのか

改訂

手術で使った器具を、もう一度使う。そのためには、何を確かめておく必要があるのでしょうか。

汚れが落ちていること。必要な消毒や滅菌ができていること。そして、繰り返し処理しても、製品が本来の機能を保てること。これらは、同じ確認ではありません。

さらに、その処理はメーカーの手元だけで完結しません。実際に機器を使い、再処理する医療現場で、手順を理解し、実施できることも必要です。

再処理は、次に使える状態へ戻すための処理

医療機器には、単回使用を意図したものと、適切な処理を行ったうえで繰り返し使用することを意図したものがあります。

使用した医療機器を再使用に適した状態にするための洗浄、消毒、滅菌などの処理を、再処理(リプロセシング)と呼びます。本連載では、メーカーが再使用を意図して設計した医療機器を対象とし、単回使用医療機器の再製造とは区別して扱います。1

例えば、手術用器具である鋼製小物、内視鏡、手術支援用ロボットのインストゥルメントなどです。ただし、再使用の可否や使用回数の制限は、製品ごとにメーカーが提供する情報を確認する必要があります。

感染リスクと、製品への影響は別に考える

再処理後の医療機器には、使用目的や患者との接触部位に応じた清浄性と微生物学的な安全性が求められます。残留する汚染物や微生物による患者へのリスクを、適切な再処理によって管理します。

一方、再処理を繰り返すことで、機器の表面や機能が変化する可能性があります。洗浄剤や汚れの残留が、患者に影響するおそれもあります。

処理が有効であることと、処理を受けた製品が安全に使えること。この両方を見なければ、再使用時の品質・安全性は説明できません。

品質・安全性は、医療現場の作業とつながっている

メーカーには、自社製品の品質と安全な使用に関する責任があります。再処理される場合も同じです。ただし、再処理が必要な機器の品質・安全性を、メーカーだけで達成することはできません。

滅菌を必要とする機器では、使用直後の前処理、回収・搬送、洗浄・すすぎ、必要な消毒、乾燥・点検、包装、滅菌、保管、払い出しなどが、一連の工程を構成します。乾燥は洗浄・消毒後の工程として行うほか、滅菌方式に応じて滅菌サイクルにも含まれます。具体的な順序と条件は、機器や処理方法に応じて定めます。

これらには、中央材料室、手術室、内視鏡室など、機器を扱う医療機関の各部門が関わります。再使用時の状態は、そこで行われる作業に大きく依存します。

だからこそ、メーカーが手順を示すだけでなく、医療現場がその手順を理解し、実施できることまで考える必要があります。1

その手順の妥当性を、根拠で裏付ける

では、設定した手順によって、求める結果が得られることを、何で説明するのでしょうか。

ここで必要になるのが、再処理バリデーションです。設定した条件で処理したときに、あらかじめ定めた要求事項を満たす結果が一貫して得られることを、客観的な証拠に基づいて確認し、文書化します。

手順を書いたことと、その妥当性が裏付けられていることは、同じではありません。また、メーカーが自社製品の手順を検証する役割と、医療機関が設備や作業条件を管理し、その手順を適切に実施する役割も、区別して考える必要があります。

この章で、持ち帰ってほしいこと

再使用できることは、壊れずに使えることだけでは説明できません。

再処理の有効性を確かめ、反復処理による製品への影響を確認する。そして、その手順が医療現場で実施できることを考える。再処理バリデーションは、こうした手順の妥当性を裏付ける役割を担います。

では、医療現場で実施できる手順を考えるには、何を知る必要があるのでしょうか。次章では、メーカーと医療現場との接点から考えます。